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SDL Trados Studio 2009について追記


まず、前回エントリ(だいぶ前なのですが・・・)の内容に一部誤りがあったので修正します。
SDL Trados Studio 2009(以下、Studio)にはSDLXが付属しないと書きましたが、SDL Trados 2007のセットがまるまるおまけで付いてくることになったので、それに含まれるSDLX 2007も、結果として付属します。

また、Studioをインストールしてみたので、感想を加えます。

まず、従来のTradosと比べると、画面が見やすく、使いやすそうです。
また、複数のメモリの参照や、メモリの訳文側の検索など、過去のバージョンでは使えなかった(私は基本的にTradosを利用していないので、確かではないのですが)機能も追加され、便利です。

しかし、基本的に動作が重いです。
まず立ち上げるのに、私の環境(Core2 Duo 2.4GHz)では、Windows XPの起動と同じくらいの時間がかかる感じです。

またMulti Termに用語を追加するためにアイコンをクリックしても、ウィンドウが開くまでしばらーくかかります。しかも、ときどきフリーズします。

プロジェクト管理などの機能は私には必要ないので(手書きのスケジュール帳で十分)、個人的にはその分システムを軽くして欲しかったと思います。

他にも、過去にSDLXで作成したメモリや用語集を利用しようとしても、うまくいかないことがあるなど、いくつか問題があります。

いろいろと便利な機能はあるようなのですが、動作が遅くて不安定なことは、業務で使用する上では非常に大きな障壁となります。

そのため結局、Studioは使用せず、引き続きSDLXを使うことにしました。
Studioには期待していたので残念ですが、それが現実的な選択だと判断しました。
もっともこれは、私の業務環境についてのみ言えることであり、他の翻訳者の環境(大量のマニュアル翻訳がある場合など)では、上記の問題にもかかわらず、Studioが大きな効果を発揮する可能性はあると思います。

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theme : 英語
genre : 学校・教育

SDLがTradosのユーザーインターフェースを一新

ローカリゼーション(ソフトウエアのマニュアル翻訳)の分野でデファクトスタンダード(事実上の標準)とされる翻訳支援ツール「SDL Trados」(以下、Trados)の最新バージョンが2009年6月に発売される予定です。

Tradosはフリーランス翻訳者向けの構成で10万円くらいする高価なソフトですが、細かなカスタマイズが可能な点や多彩な機能が評価されているのか、世界の翻訳支援ツール市場で圧倒的なシェアを誇っています。

金融翻訳を主に行う私にとっても、過去に作った訳文を利用した翻訳作業の効率化や用語統一の簡便化といったこのアプリケーションが持つポテンシャルは、それなりに魅力的です。

そこで何年か前にTradosを試用してみました。しかし、このソフトは少なくとも私には、使い勝手の悪いものでした。まず、操作方法が直観的ではなく、マニュアルを読まずには、ごく基本的な機能を試してみることも不可能でした。また、誤ってタグというものを消してしまうと文書の修復が非常に困難になるといった問題もあり、このようなものが業界標準となっていることに甚だ疑問を感じました。

結局、メリットとデメリットを検討した結果、Tradosの導入は見送りました。

その後、翻訳会社の案件で、SDLXというツールを使う機会がありました。これはカスタマイズの細やかさや用語ツールのパワーではTradosにやや見劣りするものの、動作が軽く、バグらしいバグもなく、Tradosより圧倒的に使いやすいものでした。

金融翻訳の分野では、クライアントからTradosの使用を指定されることは普通ありません。私がツールの導入を検討していたのはツール指定の仕事を獲得するためではなく、自分の効率化のためだったので、買うならTradosよりもSDLXにしようと考えました。

ところがちょうどその頃、Tradosを販売していたTrados社が、SDLXのメーカーであるSDL社に買収されるという出来事がありました。この結果、SDLXはTradosの「おまけ」として抱き合わせ販売されるようになりました。買収したのはSDL社の方なのですが、製品としてのブランド力はTradosの方が圧倒的に上だったので、SDLXが隅に追いやられてしまったといったところでしょうか。

結局、私はSDLXとTradosがセットになったこのパッケージを購入しましたが、SDLXが欲しかった私にとっては、Tradosの方が(大きな)おまけでした(Tradosは現在の私のPCにインストールすらしていません。可能ならSDLX単体で、もっと安く入手したいところでした)。

導入以来、SDLXはなかなか良い働きをしてくれています。定期的な仕事でかつて苦労して調べた用語や固有名詞をすぐに見つけることなどができるほか、訳抜け防止にも役立っています。

しかし一抹の不安がありました。SDL社のウェブサイトを見るとTrados一色で、SDLXに関する記述はほとんどありません。それに、SDLXを使用しているという翻訳者の話も最近はほとんど聞きません。こうした状況から、いずれSDLXはサポートされなくなってしまうのではないかと思ったのです。

ところが、今回のTradosのバージョンアップでその不安が吹き飛びました。

SDL社のウェブサイトに掲載された新バージョンのスクリーンショットを見ると、そのユーザーインターフェースは従来のTradosと大きく異なり、むしろSDLXに近いのです。どうやらSDL社は、従来別々だったTradosとSDLXを融合して、新システムを開発したようです。

新バージョンの製品名は「SDL Trados Studio 2009」で、おまけのSDLXは付属しなくなります。つまり表面上、SDLXという製品はなくなるのですが、そのインターフェースはTradosに名前を変えて引き継がれるとも考えられます。だとすれば、私のなじんだSDLX型のシステムは今後、消えていくどころか、主流の翻訳支援ツールとして存続する可能性が高そうです(ただし、仕様が大幅に変更されたため、従来のTradosユーザーが新バージョンに移行するまで相当時間がかかりそうですが・・・)。

製品の詳細がまだ分からないので何ともいえませんが、今後、あの問題の多いツールから多くの翻訳者や関係者が解放されるのだとしたら、業界全体のメリットは大きいのではないでしょうか。

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theme : 仕事の現場
genre : ビジネス

直訳は何のため?

実務翻訳のクライアントの好みはさまざまです。
良質な翻訳を望むのは、どのクライアントも同じだと思うのですが、
何をもって「良質」とするかの基準が、クライアントによって異なるのです。

中には、いわゆる「直訳」を好むクライアントもいます。

ここでは直訳とは、原文と訳文の単語がほぼ一対一で対応している逐語訳
と定義します。中学・高校で習った英文和訳が典型です。

はっきりいって翻訳者にとって直訳は楽です。
受験英語のルールに従って語順を並び替え、辞書に載っている訳語を書けば
よいのですから。

それでも、直訳調でやってくれと言われるのは、あまりうれしいことではありません。
バカにされているような気がするからです。

私としては、原文の意味を正確に把握し、読者がその意味を正確かつ自然に
理解できる訳文を書くのがプロの仕事だと認識し、それを目標にしているので、
直訳調の指定はちょっと拍子抜けなのです。

では、クライアントは何のために直訳を望むのでしょうか。
それは、チェックする人が確認しやすいからでしょう。

しかし、そのチェックで行われていることは多くの場合、
誤字脱字等がないか、そして訳文が原文の単語が一対一で対応しているかどうかを
確認するだけで、訳文の内容まではあまり踏み込んでいないようです。

時には、さすがに逐語訳では理解できないと思われる部分を、
原文の意味が伝わるように工夫して訳してみると、チェック後の訳文では
理解不能な逐語訳になっている、といったことがあります。

これでは、翻訳の本来の目的を果たせないのではないでしょうか。
本来の目的とは、チェックしやすい訳文を作ることではなく、
翻訳の最終顧客である「読者」に原文の内容を伝えることです。

中には、読者にとって読みやすいものにリライトすることを前提に、直訳調の訳文を
望むクライアントもいるようですが、それ以外の場合、直訳調の翻訳は
チェッカーの都合のために読者の存在を無視あるいは軽視した翻訳であり、
その社会的意義には疑問符が付くように思います。

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theme : 仕事の現場
genre : ビジネス

翻訳者になるためには~多読のすすめ

翻訳者になりたい人は数多くいると聞きます。私もかつてその1人でした。では、翻訳者になるにはどうしたらよいのでしょうか。

前回の記事で、私の翻訳の仕事は勘に頼っている部分がかなりあるということを書きました。つまりこの勘を養えば、翻訳者になれる可能性が高いともいえます。

前回も書いたように、この勘はおそらく、英語と日本語の文脈やコロケーションの記憶に基づいています。したがって、この勘を身に着けるには、ひいては翻訳者になるためには、こうした文脈やコロケーションの情報をコツコツと頭に蓄積することが必要だと思います。ソース言語、ターゲット言語双方の文章をたくさん読むのです。

金融、経済、経営などの分野を扱う実務翻訳者である私の場合、やはりこの分野の文章をたくさん読んだことが地力になっていると思います。

日本語については、新聞、特に日本経済新聞が基本でしょう。新聞には膨大な情報が含まれており、丹念に読めば、ニュースだけでなく、ビジネスに関する用語や表現、言葉の表記(漢字とかなのどちらを使うかなど)や文章の作法なども知ることができます。とりわけ日経は、おそらく日本のビジネスマンの間で最も多く読まれているメディアなので、用語や表記の基準として参考にできます。

外国語についていえば、日本での日常生活では一般的に、コロケーション情報が自然に頭に入ってくるわけではありません。したがって、海外で生活して、その国の言葉に身を浸すことが最も効果的です。会話や読書だけでなく、街を歩いて看板を見たり、テレビを見たりしているだけで、さまざまな情報が頭に蓄積されていくからです。

しかしなかなか海外で生活するわけにもいかないでしょうから、外国語に関しては特に積極的に文章を読んでいく必要があります。英語の本であれば、少し大きめの書店やAmazonなどで簡単に購入できるので、自分の分野の本をたくさん読むとよいでしょう。

雑誌の定期購読を利用するのも効果的です。一定期間をおいて次々と送られてくるので、読むペースを維持できます。私は翻訳の勉強をしていたころ、Newsweekを毎週全部読むようにしていました。英字新聞でもよいのですが、情報が多すぎて毎日全部読むというわけにはいかないので、慣れないとペースが維持できないかもしれません。その場合、毎日読む欄を決めるとよいでしょう。

小手先の技術を身に着けるより、地道な読書等で基礎を固めたほうが、難しい仕事に対応する力がつきますし、将来の伸びしろも大きくなるでしょう。

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theme : 起業・独立への道
genre : ビジネス

翻訳のマニュアル化の可能性とその脅威

翻訳を毎日行っていると、どうしたら仕事の効率を上げられるかと考えるようになります。そこで自分の仕事を振り返ってみると、過去に悩まされたのと同じ問題にぶつかって時間をとられていることが時々あると気づきました。「これ、前にいい訳し方を思いついたんだけど、どうしてたんだっけ・・・」という具合です。

語句や表現に関しては、用語集と表現集をエクセルで作成することで、ある程度この問題に対処できていますが、構文レベルの問題は未だにひらめきと勘に頼っている部分が大です。

そのため、このひらめきや勘を分析して規則性を見いだせば、すなわちこれらをマニュアル化すれば、仕事の均質化とスピード化が実現できる上、ノウハウを他人に伝えることもできるのではないかと思いました。

それでは、ひらめきはどうして生まれ、勘はなぜ働くのでしょうか。私が思うに、頭に蓄積されたソース言語(英日翻訳の英語)およびターゲット言語(英日翻訳の日本語)の文脈やコロケーション(言葉同士のつながり)が大きな要素となっています。

例えばソース言語について言えば、債券関係の英文を読んでいて唐突に "across the curve" と出てきても、この分野の文章に慣れていれば、 the curveがイールドカーブのことを指している可能性が高いと「勘づき」ます。これは単純な例ですが、過去に読んだソース言語の記憶が原文を読み解く鍵になることはよくあります。

ターゲット言語について言えば、システムのマニュアルで "A dialogue box will appear"とあったら、「ダイアログ ボックスが表れます」と訳すよりも、「ダイアログ ボックスが表示されます」と受動態の形で表現した方が自然に読めると「ひらめき」ます。これも、日本語のコロケーションが頭に浸透しているからでしょう。

こうした勘やひらめきをマニュアル化することができるのでしょうか。一般的な法則をいくつか作ることは可能でしょうが、莫大な情報に依存しているところが大きいため、包括的なものを作るのは難しいように思えます。

しかし、世の中には莫大な情報を処理するのが得意なモノがあります。そう、コンピューターです。

ひらめきの過程をより詳細に分析し、そのよりどころとなる情報を網羅すれば、完璧なマニュアルができるのではないでしょうか。いや、それどころか、実用に耐えられる機械翻訳も可能になるかもしれません。

以前、ソフトウェア開発の専門家である知人に、いずれ機械翻訳が本格的に実用化されるのではないかと聞いてみたところ、「我々の生きている間は無理」と一蹴されましたが、私はあながち不可能ではないと思います。

20年前、今のようにインターネットや携帯電話が発達している社会は想像もできませんでした。同様に、20年後の機械翻訳がどうなっているかは誰にも分かりません。正確な機械翻訳が実現すれば、世のため人のためにはなるでしょうが、私たち翻訳者にとって、これは失職の脅威です。

20年後も30年後もこの仕事を続けるには、機械がどうひっくり返ってもできないような仕事ができるようになっていなければなりませんね。

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